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コースに恐怖を持ち込んだ男 ピート・ダイ

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ピート・ダイ

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コースに恐怖を持ち込んだ男
Bury Me in a Pot Bunker
ピート・ダイ  西澤 忠 =訳
2001年10月10日 集英社

・・・

「ロング・コーブ」
基本的にこの「ロング・コーブ」は周囲にある別荘の持ち主がプレーするプライベート・クラブ。
ツアー・プロを相手にするようなシビアなレイアウトは必要ないとスタッフに指示していたが、
私はついついやりすぎてしまう。
そんな時に唱える呪文がある「これでラジャンタさんが気持ちよくプレーできる?」というもの。
ラジャンタさんは、建設の初期に早くも会員になり、
17番グリーンわきに家を買った70歳のレディースゴルファー。
目指したのは、力のあるプレーヤーには難しく、
か弱いプレーヤーにはパターで左打ちしても転がってボールがグリーンに乗るような、
優しいルートを造ることだった。

「ブラックウルフ・ラン」
私がこのコースで意図したのは、
難しいショットに挑戦したゴルファーが一生忘れられないような状況を数多く作ることだった。
ゴルファーという人種は不思議なもので、私は前から、100も切れない人々が
高いお金を払ってスコットランドのタフなコースに挑戦する心理がわからなかったものだ。
しかし、アリスと一緒に名リンクスを巡礼するうちに、次第に理解したのだった。
アメリカのマニキュア的人工美のコースでは想像もつかない状況で、
一度のショットでも成功すると、顔を輝かせて興奮するゴルファーの様子を何度も目撃したからである。
スコアに関係なく、自分でも信じられないような1打を達成した満足感で、
そのゴルファーは限りなくハッピーになれるのだ。
勇敢なゴルファーが”思い出の一打”を達成して、
「どうだ、これほどのショットはプロでも真似できまい!」と胸を張れる。

私のデザインは「ゴルファーを苛めている」という声がある。
しかし、私はプレーヤーがどうしようもなくお手上げか、
ただ傍観者になるしかないような状況設定を造ってはいない。
ただ、ゴルファーは生まれつき穴を掘るのが大好きで、
何とか手段を尽くして私に戦いを挑もうとするものだ。

「ブリックヤード・クロッシング」(インディ500のレース場にあるゴルフ場)
私の決めたルーティングはレース・トラックの中に4ホール、
そして場外の樹木とクリークのある土地に14ホールをレイアウトするものだった。
7番ホールのティは思い切り高くして、レース場の全体が見えるように設定した。
「ぺブルビーチ」の18番から太平洋の海を眺めるのと同じくらい、
バックストレッチの観客スタンドが見渡せ、
レース中の40万人の観衆が見守っていると想像してほしいのだ。
33台のレーシング・カーがエンジンの唸りをあげて疾駆するエンジン音のなかで、
ティ・ショットする自分をイメージして欲しかったのだ。

ゴルファーは腕前に関係なく、いつも夢見ている。
テレビやトーナメント会場で見た、ツアー・プロのファインショットを自分も同じようにやってみたいと。
また、無理を承知で実行してしまうのもアマチュアらしい冒険なのだ。
彼らは知っているのだ、自分たちには不可能なこと、
たとえばヘビー級のボクサーと1ラウンドも戦えないこと、
プロ野球のノーラン・ライアンの剛速球を打ち返せないこと、
モンタナのようにフット・ボールを投げられないこと、
マイケル・ジョーダンのようにはダンクシュートできないことを・・・・・。
しかし、ゴルフはたった1打なら、
ホーガンやパーマー、ノーマンのように素晴らしいショットを同じコースで体験できる。
その1打にために、アマチュアはゴルフを明日も続けるのである。

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なんか、ゴルフコースへの見方が変わってきませんか??
コースの設計家は、こんなことを考えているのですね。

                                               (2009.06.10)

最近は、コースの予約をする時は、
必ず設計者の名前を確認するようにしている。

「小笹昭三」や「加藤俊輔」の名前があると、ちょっとドキッとします。
特徴のあるゴルフ・コースって楽しいですね。
ピート・ダイのコースは、確か、まだ、やっていないと思う・・・。


ピート・ダイが主人公なのだが、
実際には婦人のアリス・ダイとの二人三脚で行われている。
が、ここでは紹介しきれないので、この件は、本を読んで下さい。

KAZU(kmgh@angel.ocn.ne.jp)
ゴルフ場革命は
     彼から始まった!!
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